Category Archives: 1分で読むオペラストーリー

1分で読む「魔笛」

■あらすじ
 山の中で、タミーノ王子が大蛇に襲われているところを助けてくれた三人の女性は、夜の女王に仕える侍女だった。タミーノ王子は、夜の女王の娘パミーナ姫が、邪悪な魔法使いザラストロに捕らえられていることを知り、さっそく取り戻しに出掛ける。三人の侍女は、タミーノ王子に魔法の笛を与え、彼のお供をする鳥刺しのパパゲーノには、魔法の鈴を与えて送り出す。
 ザラストロの神殿に到着したタミーノ王子は、ザラストロが邪悪な魔法使いではなく、高僧であることを知る。彼は、パミーナ姫と結ばれるために、ザラストロの試練を受けることを決意する。
 パミーナ姫は、愛するタミーノ王子が口をきいてくれないことを嘆き自殺をはかるが、三人の童子に彼の変わらぬ愛を告げられ、タミーノ王子と共に火と水の試練に挑む。
 一方、恋に憧れるパパゲーノは、魔法の鈴のおかげで難を逃れ、パパゲーナと言う可愛い恋人を得ることができた。
 ザラストロへの復讐に燃える夜の女王は、三人の侍女を従え、ザラストロの宮殿に乗り込もうとするが、電鳴と共に地獄に落ち、世界は平和で満たされる。


▪︎櫻井よし乃の関連作品

 みんなで歌うオペラ「魔笛」

  せりふと歌で綴る、約30分の縮小版オペラです。
  子どもでも歌える編曲で、オペラの世界を「歌って」楽しむことができます。
   ★詳細はここをクリックしてどうぞ♪


■データバンク
   原題:Die Zauberfloete
   作曲者:モーツアルト
   作曲年:1791年
   台本:エマヌエル・シカネーダー
   初演:1791年9月 ウィーン  アウフ・デア・ヴィーデン劇場


▪︎CD・DVD・書籍
  

1分で読む「こうもり」

 役人を侮辱した罪で刑務所に入れられる予定のアイゼンシュタインは、友人のファルケ博士の誘いで、妻には内緒でオルロフスキー公爵の夜会に出掛ける。一方、彼の妻ロザリンデは、元恋人アルフレードに再び言い寄られる。ところが、そこへ刑務所長が現れ、アイゼンシュタインとまちがえてアルフレードを連行してしまう。
 オルロフスキー公爵の夜会では、アイゼンシュタインは仮面をつけ、ルナール侯爵を名乗る。同時に、彼の妻ロザリンデも仮面をつけ、ハンガリーの貴婦人として登場する。彼女に魅了され、アイゼンシュタインは妻と知らずに彼女を口説いてしまう。ロザリンデは、浮気の証拠としてアイゼンシュタインの時計を取り上げる。
 翌日、刑務所に出頭したアイゼンシュタインは、自分の代わりに別人が捕らえられているのに驚く。そこへロザリンデが現れたため、彼女の浮気がばれそうになる。しかしロザリンデは、昨夜ルナール侯爵に変装したアイゼンシュタインから取り上げた時計を出して、夫を問い詰める。
 最後は、ファルケ博士とオルロフスキー公爵があらわれ、すべてはファルケ博士が仕組んだ芝居と判明。「すべてはシャンパンのせい」と丸く収まる。  


■データバンク

   原題:Die Fledermaus
   作曲者:J・シュトラウス2世
   作曲年:1873~74年
   台本:カール・ハフナー リヒャルト・ジュネ
   初演:1874年4月 ウィーン  アン・デア・ウィーン劇場


■CD&DVD

 

1分で読む「ばらの騎士」

 元帥夫人のマリー・テレーズは、若い愛人オクタヴィアン伯爵と情熱的な夜をすごす。
 翌朝、元帥閣下の帰宅かとあわてたオクタヴィアンは、小間使いに変装する。
 ところが、屋敷に来たのは夫ではなく親戚のオックス男爵だった。
 男爵は、婚約者ゾフィーに銀のバラを届ける「ばらの騎士」を紹介してもらいに来たのだった。
 とっさにマリー・テレーズは、自分の愛人オクタヴィアンを紹介する。
 オックス男爵は、オクタヴィアンの肖像画と、目の前にいる小間使いマリアンデル(変装したオクアヴィアン)がそっくりなのを驚きながら帰っていく。

 結納の日、オックス男爵は下品な振る舞いをつづけ、困ったゾフィーは、バラの騎士であるオクタヴィアンに救いを求める。いつしか、二人の間に淡い恋心が芽生える。
 そこへ、オックス男爵あてに、マリアンデルから誘いの手紙がくる。

 オックス男爵は、ゾフィーという婚約者がある身でありながら、いそいそとマリアンデルに合いに出かける。
 マリアンデルに扮したオクタヴィアンは、気まぐれな娘を装って、なかなかオックス男爵の誘いにのらない。
 そうこうするうちに、ゾフィー親子がやってきて、事態の説明をもとめる。
 オクタヴィアンは、元の男性の姿にもどり、オックス男爵の悪行を暴露、オックス男爵とゾフィーの婚約は破棄される。

 元帥夫人マリー・テレーズは、事態を見守り「物事には終わりがあるもの」と身を引く決心をする。
 オクタヴィアンとゾフィーは、晴れて結ばれる。


■データバンク

   原題:DER ROSENKAVALIER
   作曲者:R.シュトラウス
   作曲年:1909~1910年
   台本:ホフマン・スタール
   初演:1911年1月 ドレスデン 宮廷劇場


■CD&DVD

  

1分で読む「アラベッラ」

破産してしまったヴァルトナー伯爵は、老齢だが大金持ちの友人マンドリカに娘アラベッラを嫁がせようと写真を送る。
しかし、すでに亡くなったマンドリカの代わりに、彼の甥が大金を持って現れる。
送られてきた写真のアラベッラに一目ぼれし、結婚を申し込みに来たのだ。

一方、アラベッラの妹ズデンカは男として育てられていた。
ズデンカは士官マッテオを愛していたが、彼はアレベッラに求婚している。

舞踏会会場でマドリンカと引き合わされたアラベッラは、彼に胸をときめかせる。
マドリンカは結婚に承諾してくれるのなら、自分の部屋の戸口に水を一杯届けてほしいという。
この様子を目にしてしまったマッテオは絶望するが、ズデンカはアラベッラの寝室の鍵と偽って自分の寝室の鍵を渡す。

家にもどったアラベッラは、ズデンカの部屋から出てきたマッテオにばったり会ってしまう。
マッテオは、さっきまで寝室で一緒に居たはずのアラベッラに出会い驚愕する。
そこにマドリンカも現れたため、騒ぎは大きくなりついに決闘になりかかったところへ、ズデンカが現れ、事の顛末を話す。

アラベッラは、献身的な愛を与えた妹に許しを請い、マドリンカがズデンカとマッテオの仲を認めるようにヴァルトナー伯爵に願い出る。
アラベッラはマドリンカの愛にこたえるため、彼の部屋の戸口に一杯の水を置く。


■データバンク

   原題:Arabella
   作曲者:R.シュトラウス
   台本:ホフマンスタール
   初演:1733年7月  ドレスデン国立劇場


■CD&DVD
  

1分で読む「アイーダ」

■あらすじ

 エジプトの誇り高い王女アムネリスは、将校ラメダスを愛しているが、ラメダスは奴隷のアイーダと愛し合っている。エジプト王は、エチオピアを迎え撃つ指揮官にラメダスを任命する。実は、エチオピアの王女であるアイーダは、父と恋人の間に立ち、苦しんでいる。
 戦いは、エジプトの勝利に終わる。敗れたエチオピア王アモナズロは、娘アイーダを使って復讐することを思いつく。アイーダは、父アモナズロの言いつけで、ラメダスからエジプト軍の動向を聞き出す。
 ところが、その現場を目撃したアムネリスは、ラメダスを捕らえる。アイーダとアモナズロは逃げ出す。
 アムネリスは、捕らえたラメダスに、自分と結婚するならば命を助けると掛け合うが、ラメダスは受け入れない。その結果、ラメダスは地下牢に生き埋めにされることになる。
 ラメダスが向かった地下牢には、先回りしたアイーダが待っていた。
 天国で結ばれることを祈りながら、ラメダスとアイーダは息絶える。アムネリスは、神殿でラメダスの冥福を静かに祈る。


■データバンク

   原題:Aida
   作曲者:ヴェルディ
   作曲年:1870年
   台本:アントーニオ・ギスランツォーニ
   初演:1871年12月 カイロ オペラ座


■CD&DVD