同声二部合唱「村はづれの歌」

 「右は越後へ行く北の道 左は木曽へ行く中仙道」
 信州軽井沢の追分宿のはずれ、分去れと呼ばれる場所が、越後に続く北国街道と、京都に通じる中仙道の分岐点になります。(参考サイトはここをクリックしてごらんください)

 創作意欲を掻き立てるなにか、または、創作に疲れた心を癒すなにかがあるのでしょうか。この近くには、小説家や詩人が利用した油屋旅館があり、堀辰雄が暮らした家があります。立原道造は、この堀辰雄の軽井沢の家を訪ねた事があるようです。
 この分去れに立つと、京都や越後までこの道が続いているということが、なんだか信じられない気持ちになります。
 立原道造は、何を思ったのでしょうか。

 児童合唱用として作曲しましたが、同声二部合唱として歌っていただけます。

 

 

「夏の旅」より
   1. 村はづれの歌   立原道造/詩

  咲いてゐるのは みやこぐさ と
  指に摘んで 光にすかして教へてくれた――
  右は越後へ行く北の道
  左は木曾へ行く中仙道
  私たちはきれいな雨あがりの夕方に ぼんやり空を眺めて佇んでゐた
  さうして 夕やけを背にしてまつすぐと行けば 私のみすぼらしい故里の町
  馬頭観世音の叢に 私たちは生れてはじめて言葉をなくして立つてゐた

 

 

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